新NISAの選択: 投資信託とETFを比較 – 外国税の影響も解説

新しいNISA制度が始まり、多くの人が投資の世界に足を踏み入れようとしています。この大きな変化の中で、特に注目を集めているのが「投資信託」と「ETF（Exchange Traded Fund）」です。これら二つは表面上は似ているように見えますが、実は運用方法やコスト、そして税金の扱い方において、大きな違いがあります。この記事で、これらの基本的な違いをわかりやすく解説し、外国で発生した収益に対する税金、いわゆる「外国税」がどのようにして収益に影響を及ぼすかを見てみましょう。

また、投資の世界は、時に複雑で難解に見えるかもしれませんが、正しい知識を持つことで、不確実性を管理し、賢い投資判断を下すことが可能です。新NISA制度の下で、あなたがどの投資手段を選択すべきか、そしてそれがなぜ重要なのかについて、この記事が皆さんの一助になることを願っています。

投資信託とETFの基本

投資の世界において、投資信託と ETF（Exchange Traded Fund）は、多くの個人投資家にとって魅力的な選択肢です。しかし、これら二つを選択する際には、それぞれの特性を理解しておくことが重要です。

投資信託とは？

投資信託は、多数の投資家から集めた資金を元に、プロのファンドマネージャーが株式、債券、その他の金融商品に投資する仕組みです。投資家は、ファンドが保有する資産の一部を代表する証券、つまり投資信託の「口」を購入することにより、その運用成果のシェアを得ることができます。この方法のメリットは、少額から多様な投資が可能になることと、プロによる運用を受けられる点にあります。しかし、運用には管理費用がかかり、これが収益を圧縮する要因となることもあります。

ETF（Exchange Traded Fund）とは？

ETFは、投資信託の一種でありながら、株式のように取引所で売買される点が特徴です。ETFは特定の指数、例えばS&P 500などに連動するように設計されており、その指数のパフォーマンスを模倣しようとします。ETFの大きなメリットは、取引所での売買が可能であるため、市場の開いている間はいつでもリアルタイムで取引ができる点にあります。また、一般的に投資信託に比べて運用管理費用が低い傾向にあります。

共通点と相違点

投資信託とETFの最大の共通点は、どちらも多様な資産に分散投資することを容易にしてくれる点です。これにより、個別の銘柄選択によるリスクを低減し、ポートフォリオの安定性を高めることができます。しかし、運用管理費用の面でETFの方が有利であり、取引の柔軟性に関してはETFが上回ります。一方、投資信託は、プロの運用によるアクティブな資産管理が魅力ですが、それには相応のコストが発生します。

投資信託とETFは、それぞれ独自のメリットと適用シーンがあります。自分の投資目的、リスク許容度、そして運用に対する関心度に合わせて選択することが、賢い投資判断への第一歩となるでしょう。

外国税の基礎知識

外国での投資から生じる収益には、その国独自の税法に基づく税金が課されることがあり、これを一般に「外国税」と呼びます。投資信託やETFを通じて海外の資産に投資する場合、この外国税が収益に与える影響を理解しておくことは非常に重要です。

外国税とは？

外国税は、海外の資産から得た利益（例：配当金、利息、資本利得など）に対して課される税金です。税率や課税の方法は国によって異なり、投資家は自国と投資先国の両方の税制に注意を払う必要があります。外国税の扱いは投資商品によっても異なるため、選択する投資手段によっては税金の負担が大きく変わることがあります。

ETFと外国税

特にETFにおいては、外国製のETF（例：米国のETF）を保有すると、その源泉地である国（この場合は米国）から外国税が引かれるケースが一般的です。この税金は、配当金に対して直接源泉徴収されるため、投資家の手取り収益を直接減少させる要因となります。しかし、一部の国では外国税額控除などの制度を利用して、これらの税金の影響を緩和することが可能です。

あんこ

ちょっと待って！

「外国税額控除」って何？？

みずき

「外国税額控除」とは、海外で発生した投資収益に対して支払った税金を、自国での税金から差し引くことができる制度です。

実は海外投資商品を購入して出た利益には「海外」で税金を引かれたあとに「国内」でも引かれて２重課税になってしまうんです。

あんこ

えっ！それってなんか損じゃないの？？

みずき

大丈夫ですよ。そのための「外国税額控除」です！

同じ収益に対して二重に税金が課されることを避けるために、実質的な税負担を軽減することが可能になります。簡単に言うと、海外で払った税金の一部を、国内の税金から引くことができる仕組みです。

ちなみに米国投資商品の場合は、米国で源泉徴収された10％の金額を、還付金として受け取れます。これで安心ですね！

投資信託と外国税

投資信託の場合、運用会社が海外の資産に投資している場合でも、外国税の扱いはファンドレベルで管理されます。これにより、個々の投資家が直接外国税の細かい管理を行う必要がなくなり、場合によっては運用会社が外国税額控除を受けることで投資家への影響が緩和されることもあります。

外国税の影響を軽減する

投資戦略を立てる際には、外国税の存在を認識し、その影響を最小限に抑える方法を考えることが重要です。例えば、外国税額控除の適用を受けられるかどうかを確認する、または外国税の影響が比較的少ない投資手段を選択するなどのアプローチがあります。

外国での投資収益に対する税金の扱いは複雑な場合が多いですが、正しい知識と適切な計画によって、税金の負担を軽減し、収益性の高い投資を実現することが可能です。

投資信託VS ETF – 外国税を含めた考察

投資信託とETF、どちらを選ぶかは、個人の投資スタイルや目的だけでなく、外国税の影響をどのように受けるかという点でも考慮する必要があります。特に新NISAを利用する際には、これらの違いが長期的な収益性に大きな影響を及ぼす可能性があります。

流動性と費用

ETFは取引所でのリアルタイム取引（指値等が使える）が可能で、この点で投資信託と大きく異なります。この流動性の高さは、市場の変動に素早く対応したい投資家にとって大きな利点です。また、ETFは一般的に投資信託に比べて低コストであり、この低コストは長期的な収益にポジティブな影響を与えます。しかし、ETFの外国製品を選択する場合、外国税が引かれることで実際の手取り収益が低下する可能性がある点に注意が必要です。

外国税の影響

ETF、特に外国製のETFを保有する場合、源泉地である国から外国税が引かれることが一般的です。この税金は、配当金に対して直接源泉徴収されるため、投資家の手取り収益を直接減少させます。一方、投資信託の場合、運用会社が外国税の扱いを管理するため、個々の投資家への直接的な影響は少ない場合があります。運用会社が外国税額控除を受けることで、投資家への影響が緩和されることもあります。

人気の例と外国税の考慮点

• 投資信託「ｅＭＡＸＩＳ Ｓｌｉｍ 米国株式（Ｓ＆Ｐ５００）」：アメリカの代表的な500社の株式で構成される指数に連動する投資信託です。これは三菱UFJアセットマネジメントが運営する商品です。
• ETF「S&P 500 ETF」：アメリカの代表的な500社の株式で構成される指数に連動するETFで、アメリカ市場への露出を増やしたい場合に適していますが、米国源泉税の影響を受ける点を理解しておく必要があります。

あんこ

えっ！「S&P 500」ってどっちも一緒じゃないの？

みずき

ちょっと、ややこしいですよね！簡単に言うと、

・上の投資信託は日本の会社が運営していて、
・下のETFは海外の会社が運営しています。

そして「S&P500」は指数です。簡単に言うとアメリカ版日経平均といったところでしょうか。

同じ指数を目指していても、運営する会社が海外にあるかどうかで「外国税」を考える必要があるということです。

あんこ

じゃあ「外国税」のかからない投資信託の方がいいんじゃないの？

みずき

その考え方も、もちろんアリですよ！

ETFのメリットは先にも説明がありましたが、自分で直接ETF商品を購入するから、手数料が安いというのがメリットですね！

あんこ

そっか！投資信託は国内の運営会社を経由してるから、その分手数料が高いってことだね！

みずき

その通りです。

流動性と費用の面ではETFが有利ですが、外国税の影響を考慮すると、投資信託がより手取り収益を確保しやすい場合があります。特に新NISAを活用して長期投資を計画している場合、外国税の影響を含めて、自分の投資目的に最も合った選択をすることが重要です。

どちらを選ぶべき？

新NISAの枠組み内で資産を増やしていく際に、「投資信託」と「ETF」のどちらを選択するかは、あなたの投資スタイル、リスク許容度、そして最も重視する投資の特性によって決まります。また、外国税の扱いも重要な考慮事項の一つです。ここでは、それぞれの選択肢がどのような投資家に適しているのか、具体的なシナリオをもとに考察してみましょう。

投資信託の選択肢

手間をかけずにプロに運用を任せたい場合：投資信託はプロのファンドマネージャーが運用を行うため、個別の投資判断を自分で下す必要がありません。特に外国税の管理や運用戦略の策定など、投資に関する複雑な決定をファンドマネージャーに任せることができます。

外国税の管理を気にせずに済む場合：投資信託を通じた海外投資の場合、外国税の管理は運用会社が行います。これにより、個人投資家は外国税に関する直接的な手続きを行う必要がなく、よりシンプルに投資を行うことが可能です。

ETFの選択肢

低コストで効率的な投資を求める場合：ETFは一般的に運用管理費用が低く、また取引所でリアルタイムに売買できるため、市場の動きに応じて迅速にポートフォリオを調整することができます。この点は、特にコスト意識が高く、市場に積極的に関与したい投資家にとって大きなメリットです。

外国税の影響を理解しておく必要がある場合：ETF、特に外国製のETFに投資する場合、外国税の影響を正確に理解しておくことが重要です。米国ETFなどでは源泉地である国から外国税が引かれるため、これが収益にどのように影響するかを事前に把握しておく必要があります。

結論

新NISAでの投資選択において、投資信託とETFはそれぞれ独自のメリットを持ちますが、外国税の影響を考慮に入れることが重要です。自分の投資スタイルに合わせて、手数料や流動性、外国税の影響を総合的に考えた上で、最適な投資方法を選択しましょう。情報収集と自分自身の目的を明確にすることで、新NISAの枠組み内で賢く投資する第一歩を踏み出せます。

ではまた！

シマビト（shimabito）

宅建士サラリーマン

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投資信託を中心に個別株、ETF、現物不動産を運用中。
会社勤め投資未経験の時に「お金を自分の為に働かせるにはどうしたらよいか？」
を考えるようになり投資を始めました。最近はAI関連も勉強中です。