エヌビディア株価急落と半導体市場の今後について!!
こんにちは!2024年6月25日現在、エヌビディアの株価は22日から3日連続で急落しています。またエヌビディアに限らず、他の半導体関連企業の株価も合わせて下がっていますが、投資家目線ではこの点をどのように評価するかを考えてみます!
- 直近の株価はそれほど気にする必要はない
- 半導体産業の今後の展望
- 市場で捉える重要性
市場の反応
まずはエヌビディア株価について振り返りましょう。
- 株価の大幅下落: 6月24日の取引終了時点で、エヌビディアの株価は前日の終値から8.46ドル(-6.68%)下落し、118.11ドルとなりました。これは5日間で11.94%の下落を意味します。
これは2024年6月10日に行われた株式分割時の株価を下回っています。
専門家の見解
では専門家の意見はどのようなものがあるのでしょうか。私が調べた範囲の情報ですが、大きくは下記のような意見が多いです。
<強気の見方>
長期的な見通しではアナリストの中にはエヌビディアの長期的な成長ポテンシャルを評価している方もいます。その多くの専門家は、エヌビディアがAI市場でのリーダーシップを維持し、将来的は再び株価が上昇する可能性が高いと見ています 。
<慎重な見方>
一方でエヌビディアの成長はかつてのテスラのように株価のみが先行しており、将来的には競合他社によって鈍化するという慎重派の方もいます。競争の激化と主要顧客の独自チップ開発により、長期的にはエヌビディアの市場シェアが縮小する可能性があるとの見方もあります。
これらが、専門家の対極の見方の例です。
半導体製造装置の世界市場
では、エヌビディア半導体市場のどこに位置するのかを確認してみます。
以下は、経済産業省の「半導体・デジタル産業戦略」の資料から抜粋した半導体製造装置の世界市場の資料です。
資料の見方は、
左から右にかけて:半導体が製造される工程を示しています。
上から下にかけて:その工程のシェアが高い順に企業が並んでいます。
経済産業省 商務情報政策局「半導体・デジタル産業戦略」の資料から抜粋
https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230606003/20230606003-1.pdf
ここで、「ん?」とお気づきになるかと思います。そうです。
この中にはエヌビディアの名前がありません。
ではエヌビディアがこの半導体製造過程のどこに位置しているのか?
それは一番左の、さらに左(つまり枠外)に位置する立ち位置で、
おもに「高性能GPU」の設計を行っています。
この高性能GPUのシェアがエヌビディアは世界の大半を占めています(2024年6月時点で約9割)。また昨今話題のAI市場には、この高性能GPUの存在が必要不可欠になっており、エヌビディアの株価成長に起因しています。
今後の株価について
ではエヌビディアの株価が続落している今日現在で、今後の見通しはどうなるのか?
この点が一番気になるところだと思いますが、私の見解では、
①「エヌビディアの株については分からない」
②「市場で捉えるなら、半導体市場は今後も成長する」
と、予想しています。
エヌビディアの株が分からないという点については、エヌビディアの急成長の追い風にAI市場の成長が起因していることは間違いありません。ただしAI市場は将来の可能性を秘めている一方で、まだまだ身近に浸透しているとは言い難いからです。
ちなみに身近に浸透とは、スマホを所有するレベルです。私がAIで想像する場合、専属の人間型ロボットを一人一台所有する感じです。その時までエヌビディアの株が成長する!なんて言いきれる方は、そうそういないはずです。
ただし、このAI市場の短期間での躍進はすさまじく、当面は成長が続くかもしれません。そのAI市場を更に大きく囲うようにあるのが、半導体市場です。
AI市場は半導体市場の内側に属するもので、半導体市場は車の自動運転技術や、家庭のスマートデバイス化など多くの市場に影響力を持っています。
ちなみにAI市場について過去に記事をまとめておりますので、気になる方は以下をご参考ください。
まとめ
個別企業の株価がどうしてもニュースなどで先行しがちですが、半導体、AI市場全体でみればまだまだ発展途上であることが分かります(未来に夢があるとも言えますね)。
投資の未来に確実は存在しません。もしかすると半導体に変わる新たな技術が出てくるかもしれません!それでも自分の中で将来の市場を想像すれば、きっと投資スタンスの参考になるはずです。
個の視点にならずに、市場全体で捉えて、今後の市場動向をチェックしていきましょう!
ではまた!